第1章 ~ATOBE KEIGO~
飾り付けられた壁
机には小さめのケーキが置いてあり、ロウソクの灯りが揺らめいている
「ビックリした?」
「あ、ああ…」
「ミカエルさん達に協力してもらったの。ケーキもね、手作りなんだよ」
は俺の手を引きソファへ座るように促す
「正直言うとね、景吾の誕生日どうしたらいいのか分かんなくって…欲しいモノとか、どうしたら喜んでもらえるのか…」
「…そんなコト気にしてたのか?」
「気にするよ~、だって初めてのお祝いなんだし…でもね、景吾なら逆にこういうの庶民的でいいかなって…」
少し不安げに見つめてくるに、俺は部屋を見渡した
これだけの飾りを一人で…
一生懸命に飾り付けするを想像すると、思わず笑みが溢れる
「まぁ…少しガキっぽいがな」
「ええっ!?」
「バーカ…お前らしくていいって言ったんだ」
「…分かりにくい」
そう言いつつも、は嬉しそうに笑った
「ケーキ食べよっか♪」
前に出されたケーキはシンプルなイチゴのケーキだが、とても可愛らしくチョコのプレートには"KEIGO 1"と書かれている
「何で1なんだ?」
「ん?これはね、初めての"1"」
「初めて?」
「うん。景吾の誕生日を初めて一緒に過ごせたから」
「っ…!!」
ホントにコイツは…
フワリと笑うの顔があまりにも綺麗で俺は熱くなる頬を隠すように口元を手で覆った