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氷帝恋物語★テニスの王子様

第1章 ~ATOBE KEIGO~


「手、ヤケドしたのか!?」

の姿に目を見開いた俺はの手を取ろうとするも振り払われる


「おいどうした!?何があった!?」


声を荒げる俺の問いに答えるコト無く、は頭を左右に振った


「黙ってちゃ分かんねぇだろうが!?一体どうしたって…」


そこまで言うと、俺は口を噤んだ
それはの瞳から涙が流れたから


今までせき止めていたモノが一気に溢れたように、次々に涙を流す


「ごめ……け…ご……ごめんな…さ…」


いてもたっても居られず、俺は跪くとを抱きしめた


「どうした…泣いてちゃ分からねぇだろ…」


今度は優しく、諭すように訊ねる


俺らしくねぇ
だが、そう言わなきゃいけねぇ気がした


の涙なんて…見たことなかった俺はどうしたらいいか分からなかった


「…泣きやめ…」


泣き続けるの背中を摩りながら、ふと握り締められた手を見つめる


やはり赤くなっている
酷くはなさそうだが早く手当しねぇと…


そんな時、手の隙間から何か覗いているのが見える
俺は体を離すと、の手の中から取り上げた


「やっ…!!ダメッ!?」

の制止も意味なく、それは景吾の手中に渡った


「これは…」


焼け焦げて、煤で真っ黒になっているが、それは紛れもなく自分があげたモノ


微かに見えるピンク色は元々ウサギだった跡形もなく、辛うじて知ってる自分達だから判るモノだった


は俺からソレを奪い取ると、涙を溜めながら薄く笑った


「ごめんね景吾…こんなんなっちゃった…景吾にだけは……見られたくなかった……」


そう言ってまたポロポロと涙を流すに、俺は言葉を失った


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