• テキストサイズ

氷帝恋物語★テニスの王子様

第1章 ~ATOBE KEIGO~


「きゃっ…!?」


咄嗟に目を瞑り、衝撃を覚悟するも一向にやってこない


「………?」


そっと目を開けると、跡部くんの顔が目の前に広がる


「ったく…危ねぇだろうが」


私が倒れる前に掴んでくれたのだろう。体をしっかりと抱きとめられている


「ご、ごめんなさい…」


私は跡部くんから離れようと胸を押すも、ビクともしない


「跡部くん離して…」


「景吾だ」


「っ………」


耳元で呟かれた声に身を捩る


もうなんなのよ…
さっきのキスといい、今といい…この人完全に面白がってる!!!


「ほら、呼べよ」


「…呼んだら離してくれる?」


「どうだかな…呼んでみろよ」


何か誘導尋問というか、言いなりになってる気がして納得いかないが、離してもらわないと困る
私は溜息を付くと、顔を上げた


「景吾…」


景吾は満足そうに口角を上げると、漸く体を離してくれた


「…何か大人っぽいと思ったのに、やっぱり子供なんだ」


「アーン?当たり前だろ」


何故か私はその一言に安心した


大人びて見えるけど、それは大人の世界にいなければいけないからで、本当は対等に見て欲しいんじゃないかなって思ったから


「…帰るね?子供はもう寝なきゃ」


「…ああ」


その後、着替えたは用意してもらった車に乗り込んだ


「美味しい料理ごちそうさまでした」


「またいつでも食わせてやるよ」


「ありがと♪じゃあ…おやすみなさい」


ニコッと笑うと、滑る様に車が発進した


無理やり引っ張ってきたのに、強引にキスしたのに、そのコトを忘れたみてぇにもう笑ってやがる


「よくもまぁコロコロと表情が変わるもんだ…」


走り去る車を見つめると、景吾は屋敷へと入っていく
その表情は何故か嬉しそうに見えた




見てて飽きねぇ

/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp