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氷帝恋物語★テニスの王子様

第1章 ~ATOBE KEIGO~


いなくなったのを確認すると、はフゥと息を付いて景吾から離れた


「やっと帰ってくれたね」


「…お前、どういうつもりだ」


飄々としているに景吾は目を細める


「どういうって…だってしつこかったし、こうした方が手っ取り早いと思って…ごめん」


は少し眉を下げる


「でも結果的に効果あった訳だし、それにほら、口にはしていないし…」


確かに両手で上手く口元を隠して口端ギリギリのところにされたが、何でコイツはこんなにも平然としている…


「…そうじゃねぇ」


俺は呟くと、を壁際に追いやった
トンと背中を壁につけたは、驚いたように視線を迷わせる


「だからゴメンって…」


「そうじゃねぇよ…やられっぱなしは好きじゃねぇって言ってんだ」


俺はの顎を掴むと、唇を重ねた


「!?」


驚いて目を見開くのにも構わず何度も向きを変えて唇を啄ばむ


思った以上に柔らかい感触をもっと味わおうと、舌先を触れさせた瞬間、頬に衝撃を覚え唇を離した


「…何だ」


「何だじゃないわよ…何でこんな…キスするとか聞いてない!!」


「言ってねぇからな」


頬を染めながらもキッと睨みつけてくるは思いのほか、俺の加虐心を刺激した


「ホント勝気だな…」


「何よ…悪い?」


「いや?嫌いじゃねぇ」


ニヤッとして舌なめずりをすると、は真っ赤になりズンズンと先を歩いていった


「ククッ…待てよ」


「って呼ぶのも聞いてない!!」


「恋人だろ俺達。お前も景吾って呼べよ」


「呼ばないっ!!!」


「呼べって」


「呼ばないから!!!」


押し問答が可笑しいのか、跡部くんは喉を震わせながら私を追いかける


私も追いつかれるのが癪で、より足早に歩を進めると、ヒールが廊下に敷かれた絨毯に取られ体が傾いた

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