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氷帝恋物語★テニスの王子様

第1章 ~ATOBE KEIGO~


本当に忘れてきた携帯を見つけると、私は元来た廊下を早足で戻っていた


先に行ってと言ったけど、これだけ広いと迷子にならないとも限らない。曲がり角に差し掛かったところで跡部くんの声が聞こえる


(もしかして…待っててくれたのかな?)


角を曲がろうとした時、私は足を止める


跡部くんは誰かと話しているようで、そっと伺うと、さっきパーティー会場にいた女の子達だった


(あの子達…)


一際、嫉妬の眼差しを向け自分を睨んでいた子が、跡部くんに話かける


「景吾様、あの女は誰なんです!?」


「アーン?さっきの訊いて無かったのか?」


「今までそんな話を全く聞かなかったのに…ドコの令嬢なの?」


「…お前らには関係ねぇだろうが」


「っ………!!!」


その言葉にムキになったのか、令嬢達は声を荒上げる


「証拠!!証拠を見せて下さいっ!!!」


「そうですっ!!そうでないと私達も納得出来ません!!納得するまで帰りませんわ!!!」


「くだらねぇ…いい加減にーーー」


私は跡部くんが声を荒げるより早く角から顔を出す


「あなた…!!」


「…」


小さく舌打ちが聞こえる


(タイミング悪く出てきやがって…って思ってるんだろうなぁ)


私は跡部くんの隣に立つと、令嬢達を見ながら跡部くんの腕に自分の腕を絡ませた


「景吾、誰?この人達…」


「ーーー!!いや、なんでもねぇ」


「な、何でもなくないですわ!!あなた本当に景吾様の恋人なの!?」


「そうだけど?」


よりギュっとしがみつく私の肩を跡部くんが引き寄せる


「いい加減解っただろうが。さっさと帰れ」


「っ………そんなくっ付くくらい誰にだってーーー」


令嬢達が口を噤んだ
というより言葉を失った


それは、が景吾の頬に両手を添えて口付けたから
景吾も急で驚いたのか、少し目を丸くしている


ゆっくりと名残り惜しむように離されると、は令嬢達を見やる


「…まだ見る?」


「っ………!!!!!」


令嬢達は顔を真っ赤にさせながら走って行った



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