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氷帝恋物語★テニスの王子様

第1章 ~ATOBE KEIGO~


パーティーが終わって招待客が帰っていく
私達はホールを出て、長い廊下を歩いていた


「こういうことだったんだね、私を呼んだ理由」


「…怒ったか?」


「別に?スゴイよねーお父さんの代わりにあんなパーティー取り仕切るんだもん」


「普段は早々ねぇがな。ったく面倒な時にいなくなったもんだ」


跡部くんはネクタイを緩め、ジャケットのボタンを外す


「それにスゴかねぇ。あんなの只のご機嫌取りだ」


私はさっきの話を思い出す


「…でも良かったの?私、恋人ってコトになっちゃったけど」


「アーン?俺は連れだと言ったのを向こうが勝手に解釈しただけだ。別に構わねぇよ」


「なるほど…」


「それにそう思われた方が、うるせぇ女共が寄ってこなくなって都合がいい」


「跡部くんて女の子苦手?」


「どうしてそう思う」


「何かいっつも眉間にシワ寄せてる気がする」


「苦手じゃねぇ。うるせぇのが嫌いなだけだ」


「ふーん…」


「そういうお前はどうなんだ」


急に足を止めた跡部くんにつられて私も足を止める


「私?」


「さっきのヤツらにアタフタしてたじゃねぇか」


「あれは、どう対応したらいいのか分からなかっただけ。跡部くんに迷惑かけちゃいけないし…」


「だからって付いていく馬鹿がいるか」


「付いていったんじゃなくて、急に引っ張られて…」


少しムキになり見上げると、思いがけず距離が近くて、私を見つめる跡部くんの眼が私を射抜く


「跡部…くん?」


「俺の目の前でナンパされてんじゃねぇよ…」


その言葉にドクンと心臓が跳ねた


「な、何言って…」


「いちいち助けんの面倒だろうが」


(あ、そっち…)


私は目を細めると、跡部くんから離れた


「アーン?どこへ行く」


「携帯!!さっきの場所に忘れてきたみたい すぐ追いつくから先に行ってて」


それだけ言うと引き返していった

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