第1章 ~ATOBE KEIGO~
暫くして、まだ何か食べようか悩んでいると肩を叩かれ振り返ると、見知らぬ男性が数人立っていた
まだ20代くらいだろうか、黙ったまま見つめていると、ニコリと微笑まれる
「急に失礼。君はどこのご令嬢かな?」
「ぇ?いえ私は…」
「どこでもいいじゃないか。僕達君と話がしたくてさ」
「私、ですか?」
「ああ。遠くからでも君の美しさは目立っていてね、向こうで話そう」
「ぇ…ちょっ…!?」
私が返事するのも聞かずに、腕を引っ張られる
「」
自分の名前が呼ばれたかと思うと反対側から急に腰を掴まれ、引っ張られていた腕がスルリと解ける
「きゃ…!?」
「申し訳ありません。またにして頂けますか」
その声に顔を上げると、跡部くんが私の腰に手を当てていて
「跡部くん…(てか、今って…)」
「景吾さん!!もしかしてこの女性は…」
「ええ。僕の連れです」
そう言って跡部くんは私の腰を自分へと引き寄せた
「これは失礼…あまりに美しかったもので…」
「景吾さんの恋人なら納得です」
「お褒め頂きありがとうございます」
(なるほど…そういうこと…)
辺りが騒ついていく中、私は自分が呼ばれた理由が判り、大人しくしていた
でも…
(視線が痛い…)
女の子達の向けられた眼が怖い
私は内心大きなため息をついた