第1章 ~ATOBE KEIGO~
「へぇ…」
口元に笑みを浮かべながら、跡部くんが近づく
「いいんじゃねぇの?」
「いいんじゃねぇって…」
私は少し気恥ずかしい感じがして睫毛を伏せる
「アーン?綺麗だって褒めてんだ。素直に受け取っとけ」
緩く巻いた私の髪を掬う様に、跡部くんの指が触れる
「っ…」
余計に跡部くんの顔が見れなくなっていると、跡部くんも服装が変わっていることに気がついた
顔を上げると、高級と一目で判るくらいに仕上げられた白のスーツに身を包んだ跡部くんの姿
「…ホントに同い年?」
「何だそりゃ」
ククッと喉で笑う跡部くんは、大人顔負けの表情で、不覚にもカッコイイと思ってしまった
跡部くんに連れられるまま、案内された部屋に着くと、その光景にまた驚いてしまう
立食形式のパーティー会場はとても華やかで、高級なドレスやスーツに身を包んだ大人達が談笑している
扉が開き、皆の視線がこちらに向いたのと同時に、沢山の大人達が跡部くんに集まってきた