第1章 ~ATOBE KEIGO~
「パーティーっていったって…」
私は渡されたドレスを見つめていると、またツカツカと近寄ってきた跡部くんが私の上着に手をかけた
「着替えられねぇなら手伝ってやろうか?」
「っ…出来ます出来ますっ!! 自分で出来るからっ!!!!」
「ったく、最初から素直にきいとけ」
跡部くんはポンポンと私の頭を撫でると、扉へと向かっていく
「…お前、着やせするタイプなのな」
「え?」
急に発せられた内容に首を傾ける
「見た目より結構あんじゃねぇの」
ニヤッと口角を上げ、閉まった扉に私は眉を寄せた
「~~~~//やっぱ苦手だ!!」
渡されたドレスの中から気になった一着を着てみる
ライトブルーのシフォンワンピース
ミニ丈でシンプルな造りだが、肌に馴染む感じが気持ちよく、そして何より…
「ピッタリ…」
自分の為にあつらえたんじゃないかと思うほどしっくりとくるのを見て、意外にも跡部くんを感心してしまった
鏡に映る自分を眺めていると、ノックと共にメイドさんが数名入ってくる
「様、お着替えがお済みでしたら、後は私どもが仕上げます」
私は言われるがままに髪、装飾品、靴などあっという間に仕上げられた
「まぁ♪とてもお似合いですよ。これなら景吾様もお喜びになると思います」
「は、はぁ…」
鏡に映る自分は自分じゃないみたいで、私は思わず魅入っていると、扉の開く音がして振り返った
「景吾様、いかがですか?元がお綺麗なのでシンプルに仕上げました」
「ああ…ご苦労だった」
メイドさん達は頭を下げると、そそくさと出て行く
「あ…ありがとうございます」
お礼を言うと、メイドさん達はまた一礼をして部屋を出て行った