第4章 二つの神に宿さるる生命
翔によって丹念に仕込まれた身体は、快楽を悦楽へと導くことなど容易くて…
智は自ら胸を突き出すと、翔の舌先がそこへ到達するのを、今か今かと待ち侘びた。
…が、そう易々と智の期待に応える翔では無い。
わざと敏感な部分を避け、じっくりと舌を這わせると、頬を紅潮させ、翔を見下ろす智を見上げた。
いじ…わる…
智の熟れた唇が声無く動く。
それを見て翔は漸く、そこに舌を移しころころと転がすように舌先を動かした
「ああっ…」
長らく焦らされ続けた身体は、当然のことながら過剰なまでに反応し、自らの意志とは関係なく足が開き、智はその奥へと手を伸ばした。
薄い茂みに覆われたまだ幼い茎を手中に納め、指の腹で擦ってみれば、堪え切れず零れた雫が智の手を濡らした。
それでも智の手は動きを止めることはなく、ついには後ろにまで手を伸ばすと、指に纏わり着く粘液を、小さく窄んだそこに塗りつけた。
それには流石の翔も驚きを隠せず…
漏れる息を隠そうともせず、懸命に手を動かす智の淫靡なまでの姿から目が離せなくなってしまった。
ごくり…と、翔の喉が鳴る。
翔は智をその場に残し、史机の上に束ねてあった半紙と、墨壺、そして筆を手に取ると、着物と髪を乱し、自らの手で導く悦楽に身悶えるその様を、半紙に描き留めて行った。