第2章 艶やかなる牡丹の如く
反り勃った翔の茎をその細い腰で受け止める智。
翔の唇によって塞がれた口は息をすることもままならず、息苦しさを紛らすべく翔の背に爪を立てた。
すると翔はゆっくりと唇を離し、そっと智の頬を撫でた。
「智…」
熱にでも浮かされたかのように名を呼ぶと、智も同様に火照った顔に笑みを浮かべる。
その表情がまるで智の背に描かれた大輪の牡丹のようで…
「お前は華だ…」
「ええ…、私は華…。貴方のためだけに咲く華…」
身体を揺らされ、浅い息を繰り返し喘ぐ智に、翔は更に追い打ちをかけるかのように乱暴に腰を打ち付ける。
「あ、ああっ…、咲かせて…、しょ…さん、貴方の手で…、私の華を…」
「ああ、咲かせてやろう、お前の背の牡丹よりも美しい華を、私が…」
翔は智を抱き起こすと、じしんの膝の上に跨らせた。
そうして智が身体を痙攣させ、くたりと脱力するまて、腰を打ち続けた。
「済まない、お前にこのような無体を…」
智の身体を水に浸した手拭いで拭きながら、翔は自身の節操の無さを詫びた。
ところが…
「本当に…。これでは暫く使い物になりませんよ?」
先に仕掛けたのは自身だということも忘れ、冗談めいた口調で言うと、小さな肩をくすくすと揺らした。