• テキストサイズ

T・A・T・O・O ー彫り師ー【気象系BL】

第2章 艶やかなる牡丹の如く


「ああ、お師匠…さん…、そこばかりは…」

執拗に胸ばかりを攻め立てる翔に、焦れた智が紅く染めた頬を膨らすが、翔は一向に手を止めようとはしない。

それどころか…

「良いだろう。但し…」

唇の端を僅かに上げ、智の胸元からすっと手を引いた。

「その名で呼ぶ限り、触れてはやらん」
「そん…な…、意地悪…」
「意地悪で結構。お前の意固地ぶりには到底敵わんからな」

翔はその場にどかりと胡座をかくと、両腕を固く組んだ。
そして、むくれる智に見せつけるかのように、着物の裾を太腿の際までたくし上げた。

ごくり…と智の喉が鳴り、翔を見下ろす双眸に情欲の色が浮かぶ。

然しながら、翔も太鼓判を押す程の意固地な性分が故に、翔の誘いに素直に乗る事が出来ない。

「まったく、お前という子は…」

翔は組んでいた両手を解くと、左右に大きく広げた。

「さあ、おいで」と。

それには流石の智も辛抱出来なかったのか、翔の広げた腕の中に飛び込むと、翔の着物の襟元を乱暴に開き、まるで吸い寄せられるかのように熟れた唇を胸に寄せた。

「こら…、そのように急いては…」

翔が制止しようとするが、一切の聞く耳を持たない智は、翔の下腹部に手を伸ばすと、下帯に包まれた膨らみに指を触れた。
/ 200ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp