第6章 白き手指で描かるる流線
互いの唇の感触と、舌先で感じる体温を楽しみながら、互いに帯を解いて行く。
…が、手先の器用な智に比べ、元々不器用な翔は、性急過ぎるが故に、上手く智の帯が解けず…
面倒に感じた翔は、智の着物の肩を落とし、露になった肌に手を這わせた。
指と指の間に智の胸の先を挟み、捏ねてやると…
「ん、ぁはぁっ…」
重ねたままの唇の端から、熱い息が漏れた。
そして智も…
翔の着物の前を開き、逞しい胸に華奢な指を這わせた。
冷めてしまったとはいえ、一度高みへと登り詰めた熱は、簡単に上昇を始める。
「ああ…、しょ…さ…ん、早く…」
智は堪え切れずに翔の茎を握り込み…
「早くこれを私の中に…」
自ら足を開いた。
「お前と言う子はなんと厭らしい…」
翔はくすりと笑うと、智の開いた足の間に入り、その奥で翔を待ちかねる菊門に指を突き入れた。
「ああっ…」
智の腰が浮き、甲高い声が寝所に響いた。
「一体誰がお前をこのような厭らしい子にしたのだか…」
「それ…は…、しょ…さ…、あぁ…んっ…」
言いかけたところで、中を指で掻き混ぜられ、智は咄嗟に翔の腕を掴んだ。
「ほぉ、これが好きか?」
「違っ…、あ、あんっ…」
「腰が揺れているが、それでも違うと?」
翔の意地悪な口調に、智はいやいやをするように首を振った。