第4章 枕
眠れない。枕も無いし、昼間あんな事あったベッドだし。
私は枕元のランプを点けて起き上がり、ドアを見つめた。
深呼吸してから立ち上がり、そっとドアを開けた。
坂田さんは、やっぱり部屋の前の布団に寝そべり、ジャンプ読んでいた。
「お、ちゃんどーしたの?やっぱり銀さんの腕枕欲しくなったの?」
「そうです。って言ったら、本当に貸してくれますか?」
「そりゃーもちろん貸し…え?ちょ、ちゃん、そういう事は冗談で言っちゃダメだよ。銀さん本気にしちゃうよ」
「冗談で言いませんよ」
「…えーっと」
「結野アナじゃないとダメですか?」
「いや、そうじゃなくて…」
しばしの沈黙の後、坂田さんは髪をクシャクシャとかき、立ち上がった。
「本当に、良いの?腕枕じゃ済まないかもよ。銀さんの銀さんが眠れない一夜を過ごしちゃうかもよ」
「…あ、じゃあやっぱり辞め」
「えーっ!」
「嘘です。大きな声出さないで下さい。…どうぞ」
私は坂田さんを部屋に入れ、ドアを閉めた。