千銃士【Noble Master Project】R18
第1章 邂逅
温かい食事なんて久しぶりすぎて…噛みしめる度に涙が出そうになる。
その様子を、黙って微笑みながら見守る青い髪の男性は…どことなく兄の面影を感じた。
「……恭遠・グランバードという。一応、このレジスタンス支部をまとめている」
「キョウドウ……では、日本の?」
「あぁ、母がね。君はその…日本人かい?」
こくんと頷き、少し躊躇いながら名前を告げた。
「……沙優、と言います」
「沙優くんか。不躾な質問で悪いが……君は純血種、だろう?」
「っ……」
純血種。
この言葉が独り歩きし、この数年沢山の好奇の目に晒された。その記憶を思い出していることを察したのか、恭遠はすぐ続ける。
「大丈夫、純血種だからといって我々が何かすることは決して無い。きちんと安全に保護するつもりだ」
「……ありがとう、ございます…」
食事を終えお礼を告げると、恭遠はかしこまった様子で「大切な話がある」、と言ってきた。
「君の許可も得ずに着替えをさせてもらったんだが……」
「……え?」
そういえば服が変わっている。いつの間にかボロボロのシャツではなく、シンプルだがきちんと洗濯されたワンピースを着て……
「えっ……私…え?!」
「あ、安心してくれ!ちゃんと女性のレジスタンスメンバーに頼んだんだ!」
「あっ……そ、そういうこと、ですね……す、すみません……」
「そ、それで……その…女性のレジスタンスメンバーに確かめさせてもらったんだが…」
恭遠は少し言いよどみながら告げた。
「君の……胸元に…その……バラのような痣、があったりするかい…?」
「…っ……」
「す、すまない…!女性の身体のことをこんな風に聞くなんて失礼だということは分かっている!!だが………我々も、藁をも掴む思いなんだ…!!」
沙優は心当たりのある場所を服の上から触れた。