千銃士【Noble Master Project】R18
第6章 キセル(R18)※no shades
「こんな……こんな俺で……君の、役に……立てるの……?」
消えそうな声でキセルが呟いた。
「私は……今のキセルが、いい…」
沙優の指先が、戸惑うキセルの頬に触れる。
ぴくっと小さく震え、キセルの緊張が伝わってくる。
「ねぇ……キセル」
沙優はもう片方の手で、震えるキセルの手を取った。
そして、自らの頬へとその指先を導いた。
「……っ…あ………」
「……私も、キセルと同じ…だよ……緊張、してる」
「マ、マスター……」
「緊張してる……でも…いやじゃない……」
お互いの頬にふれあい、瞳が混ざり合う。
「触れても……怒らない?」
「お、お、怒るなんて……そんなわけ、ない……」
「ふふっ……私も、同じだよ……」
「そ……そっか……あは……そっか……マスターも…俺と、俺と同じ……」
お互いの瞳に姿が映り込む。その顔は、笑っていた。
………二人は、どちらともなく、唇を寄せ合った。
「……ん…」
びくん、と硬直したキセルの肩を、沙優がそっと抱きしめる。
「っん……」
キセルの手も、沙優の身体へおずおずと伸ばされる。
「……っ、もっと……触れて…」
「っ……あ、あ……」
「大丈夫……」
戸惑いながらも、キセルの指先が沙優のガウンにかかった。
するりと肩から落とされ、露わになった素肌にキセルの指先が滑っていく。
「……んっ……んん……」
啄ばむ口づけを何度か重ねながら、互いの肌に触れ合う。
沙優はそのまま、服の奥にうずもれたキセル自身へと手を伸ばした。
「あっ!!!」
しかし、あまりに緊張しすぎているせいか、先ほどのキセル自身の姿は見る影もなくすっかり元気をなくしてしまっている。
「ご、ごめん……ごめんね……あの、さっきみたいになれなくて……俺、やっぱり……」
「ううん、キセルのせいじゃない……大丈夫だから、こっちに座ってくれる…?」
沙優の言うがままにキセルは再びベッドに腰掛ける。
そして彼の前に跪き、控え目なキセルの銃身に唇を寄せた。