第5章 キセル（R18）※on shades

「痛かったりしたら…すぐ言えよ…マスター？」

「え、あ……うん……」


そう言われ、キセルの手が優しく沙優の両肩をベッドへと導く。
言葉づかいと雰囲気に反して、穏やかで優しいて手つきではある。

「……力の使いすぎで、しんどいのか…？」
「……うん。それは、あるかな……」
「そうか……全員召喚した後、本格的に世界帝軍との戦闘が始まれば、また貴銃士を癒すのにかなりの力を遣うことになるだろうな……あんまり無理すんじゃねぇぞ？」
「わ…わかってる……」

「ん……じゃ、始めるぜ…」


「あっ………んん……っ」

突然塞がれた唇。堰を切ったように口内へ溢れ出すキセルの舌先。
優しいのに荒々しくて、少しの呼吸も許してくれない。


（す、少し苦し……）

でも、胸苦しさとは裏腹に
痣が放つ熱はどんどん引いていった。


絶対高貴に目覚めた貴銃士によって癒される、というのは
「どの貴銃士だろうと」可能だということがはっきりと分かった。


「っんん……」

さすがに息が苦しくなってキセルの胸元に縋ると、水音を立てながらやっと解放される。

「はぁっ、はぁっ……」
「マスター……何も考えなくていいぜ」

「っふぁ……っ！！」

組み敷かれながら耳に唇が寄せられる。
舌が耳の縁をゆっくりと舐め上げ、敏感な部分に攻め入る。

「ひっあ……っ！！」
堪らず身体が跳ね上がるが、キセルの腕にしっかりと縫い止められているせいかあまり動けない。

逃げ場を失った快楽が身体の奥へ波となって打ち寄せる。

「あぁっ……ん…ぅ……っっ」


「……いい声で啼くじゃねェか…」


吐息混じりの掠れた声が濡れた耳をくすぐり、再び甘いしびれが駆け巡る。

「んっぁ……キセ、ル…っ」
「いいぜ……たまんねェよ」

そのまま首筋に唇が寄せられ、啄むような口付けが落ちていく。
水音が立てられる度にビクン、ビクンと震えてしまう。……止められない。

「はっ……ぁ……っ…」

キセルの唇が下へと向かい、そのまま胸元のボタンを外していく。

胸元まで暴かれたところで、キセルの動きが止まった。


（…え……）