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千銃士【Noble Master Project】R18

第5章 キセル(R18)※on shades



キセルはサングラスをかけたまま、こちらを覗き込みふっと笑った。


「待たせてすまねェな、マスター!ちょっくら準備に手間取っちまった」

「え、ていうか……今どこから出てきたの…?」

「ん?少し前からこの部屋にいたぜ?」
(ありえない……私、ずっとこの部屋にいたし、起きてたはずなのに……)


信じられないといった顔をしていると、キセルは笑って沙優をベッドに下ろした。


「部屋に来た時はサングラスをしてなかったからなァ……存在感がちと足りなかったかもしれねェ」

(そ、そういう問題かな……)


キセルは沙優の隣に座り、ふとため息をひとつつく。


「サングラスをかけると豹変しちまうのは昔からなんだけどよ……まぁそれを抜きにしても、今回のこのハナシ、乗るか降りるかかなり迷ったんだぜ……俺にとっての『仁義』はどうするべきか…ってな」


なるほど、キセルはサングラスをかけると元々の挙動不審な性格が一変し任侠キャラに変わるのか。
沙優は心の片隅で納得する。


「だけどなァ……今回の話、最初に提案したのはマスターの方からだって言うじゃねェか…。マスターが自分の命張ってるってのに、それに答えねェのは俺の『仁義』には反するって思ったんだよなァ」

「な……なるほど……」

「てなわけでよ、マスター……あんたの心意気に、俺の魂、まるごとかけてやるぜェ!!」


何だかとてつもなく規模の大きい話になってしまった気がする。


「あ、あの……キセル?」
「おう、どうした??」

「その……そのサングラスを外すと…元のキセルに戻るの?」

「ん?あ……まぁな…だけどな、これがねぇと絶対高貴にもなれねェし、多分マスターの役に立つこともできねェ……違和感があるかもしれねェが、少しの間だけ、許しちゃくれねェか?」

「………う、うん、それはいいんだけど…」


キセルを召喚してから、いつものキセルしか見ていないせいか……サングラスをかけたキセルに違和感を強く覚える。


しかし、キセルはそんなことを微塵も気にしていないようだった。


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