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【ヒロアカ】私たちには余裕がない。

第1章 仕事中。



もう既に足ガタガタ震えてますけども。

アドレナリンでも出てたのだろうか。さっきまではすごく闘志があったわ。

「そのおしぼり貸せ」

「え、でもこれ‥‥」

床拭いたやつ‥‥

「ハヤクシロ‥‥」

「はいはいはい」

なんか片手バチバチしてる‥‥こわ

まさかそれで制服拭くのか‥‥!? と思ったけど、屈んで床を拭き始めた。

‥‥‥え?

「そ、それなら私が‥‥!」

やる仕事!

お客にこんなことさせるなんて、店長が知ったら即クビ。

慌てて止めに入った。

「ダメです! 私がやります!」

「あ? 俺がやるっつてんだから、やらせろクソが」

「ダメ!」

「うっせぇな!!! 今のうちにもう一枚おしぼり持ってくるとかしろアホが!!!」

「!」

あ‥‥そういう‥‥

なんだかこっちが慌てまくってる。

走っておしぼりを持ってきた。

「ん」

「え?」

「テメェの仕事なんだろ、やれや」

「‥‥それ、床拭きのことで」

「あ"?」

「やりますやります」

ピシッと伸ばされた制服のシャツ。

アイスがついてる。

なんだなんだ? 心臓がドクドクする。

「大丈夫ですか?」

「お前の方こそ大丈夫かよ」

「え?」

見上げると、意地が悪そうな笑顔で微笑む爆豪さんがいた。

「──顔、真っ赤」

「‥‥‥!?!?!?」

あ、ちか、近い近い近かった‥‥!!

「失礼シマシタッッ!!!」

「チッ、おいっ、」

ビックリしておしぼりを荒々しく叩いてしまった。

なになになになに、

どうしたの私。

どうしてそんなにドキドキしてんの。

バカじゃないの、バカだよね。

ダメだ、顔が熱すぎる。

やめてよ、アホらしい。

仕事中だから、バカ。


「───っはい! 終わり!」

「うっへ、ベタベタ」

「お湯で洗った方が匂い取れると思う」

「おー」

アイスまみれのおしぼりをレジ袋に放り込んで、踵を返す。

なんだか、心臓がもたなそう。

早くここから立ち去りたかった。

「おい」

「ッ、え? ちょ、うわ、」

ゴシゴシと頬を擦られる。

「アイス、ついてんだよ。アホ」

「‥‥‥」

立ち去る爆豪さん。

立ち尽くす私。

急激に、血圧が上昇していくような気がした。


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