第8章 求愛中。
視界がぼやけて息が苦しくて、なんだかもう、どうすればいいのか分からない。
何かにしがみつきたくても、何もない。
グッと、拳を握りしめた。
「うっぜぇんだよ、そういうの‥‥ッ!
腹くくって俺のもんになれよ‥‥ッ」
「ひゃぁぁぁっ!!? やめ、ダメっ‥‥」
おかしくなる‥‥!
爆豪さんは、起き上がって、そそりたつソレを私の陰部にあてがう。
そして、一気に貫いた。
「あっ‥‥! あぁっ!」
「俺にしがみつけよ‥‥ッ、なぁ‥‥ッ」
もう意識を保つのに精一杯で、爆豪さんの言っていることが処理できない。
薄目で見えるその顔は、どこか寂しそうで。
「ッンで、俺を頼らねぇんだよ‥‥ッ!!」
「あぁっ‥‥んっ!!」
今日はなんだか早く達した。
ドクドクとナカに温かいものが流れ込んでくる。
この瞬間も、すごくゾワゾワする。
荒い息を整えながら、ずるりとソレを抜かれる。それにさえも腰が浮いてしまった。
「‥‥はぁ‥‥っ、はぁ‥‥」
無言で処理をする。
もう息が整ったらしい爆豪さんは、テキパキと私の衣服を整えてくれた。
‥‥怒ってる? ‥‥怒ってるよね。
「‥‥あの」
「何も言うな」
瞬殺された。
でも、絶対誤解してる。それだけは解きたい。
「‥‥私さ」
「チッ‥‥おい」
「私‥‥爆豪さんの事、信用してない」
「!」
胸が軋む。痛くて、冷たい。
いつもそうだ。この人に会うと。
痛くて、冷たくて、でも、温めてくれるのもこの人で。
時間さえ忘れられた。嫌なこと全部忘れられた。
だけど‥‥心の底は、
「きっと、また同じだって。
‥‥自分で心の整理がついて、誰の助けも要らなくなったら、捨てられる」
そう思ってた。
だって、出会いが出会いなんだもの。
一夜限りの関係、って思ってた。
それが、少し長続きしてるだけなんだって。
きっとこの子も大人になれば、離れてく。いつもと同じように。
───そう、覚悟してた。
でもさ、覚悟してる時点でもう、落ちてるんだよね。
私、恋に落ちていた。
「‥‥あなたのものになる覚悟じゃなくて、捨てられる覚悟をしてた」
だから、いつだってあなたを抱き締めることなんか出来なくて。
しがみつくことも、抱き寄せてくれるのも、ほとんどあなたからだった。
信用してなかった。