第6章 思案中。
ただの暇潰し?
それとも、適任が私だったってだけかも。
きっとこの人は無自覚だろうから、私が代わりに考えてあげる。
きっと、あなたは、誰でもよかったんだと思う。
今、とってもキツくて苦しくて、誰にもぶつけられない想いを、私にぶつけたいだけなんだと思う。
私じゃなくても、
「っ‥‥あれ‥‥、」
───涙がこぼれてきた。
涙腺から溢れ出たそれは、頬を伝って服にシミを作っていった。
悲しい? ‥‥ううん。
悔しい? ‥‥そうじゃない。
寂しい? ‥‥それとも違う。
じゃあ、何。
どれだけ考えを巡らせても、答えは分からなかった。
どうして泣いてるんだろう。
「‥‥ねぇ」
答えてくれるはずのない寝息に問いかける。
「‥‥私、どうすればいいの‥‥」
あなたは、どうしたいの。
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爆豪さんが寝ている隙に、ゆっくり体を動かして姿勢を変えた。
変えるというか、脱出した。
クッションを持ってきて、そこに爆豪さんの頭をそっと寝かせる。
目に染みるほどの夕焼けが、なんだか切なかった。