• テキストサイズ

【ヒロアカ】私たちには余裕がない。

第1章 仕事中。


「学生様4名様でよろしいでしょうか」

「あ、はいッス!」

「学生証の提示をお願いします」

がそごそと鞄の中やら財布やらを探し出す高校生達。

この瞬間、すごく可愛らしいって思うんだよね。男女問わず。変態だっていうのは分かってる。

「失礼します」

差し出された3枚の学生証。
うわ、まさかの雄英高校‥‥!?
すごい‥‥ってか、確かにその制服雄英だ‥‥

「‥‥?」

‥‥あれ? 3枚しか出されてなくない?

「おい爆豪! お前も出せって」

「あ"?」

あ、忘れパターンかな。

「お忘れでしたら、次回は必ずご提示下さ「あぁ!?」──!!?」

え!?!?!?

「おいおい‥‥」

「落ち着け爆豪‥‥! スンマセン、こいつ荒っぽくて‥‥」

そのようですね。

もうほぼ直角ってくらい目尻を吊り上げたその『バクゴウ』さんは、ヂャラヂャラした財布を出して、

───バァァァァン!!!

と、学生証を提示してくれた。

‥‥おっっ‥‥

「これで満足かよ、あぁ?」

はいもう結構です

そう言いたかったけど、お客様相手だ。そうもいかない。

「ありがとうございます」

『爆豪』‥‥風貌にピッタリなお名前‥‥

そんなこと言えるはずもなく、ドクドク打っている心臓を宥めながら接客を続けた。



─────---

「3階の369号室になります」

最後の最後まで目尻が吊り上がったまんまの爆豪さんとは目が合わせず、一番安心できる切島さんに伝えた。

休憩時間になって、椅子に座りながら深い深い深呼吸をした。

何あれ‥‥怖すぎ‥‥
人の目ってあそこまで吊り上がるんだ‥‥。

ゆっくり目を閉じてみた。

目を閉じると、何故だか目の奥の奥の方から睡魔の波が押し寄せてくるような気がした。

あぁ‥‥最悪。眠ってしまいそう。

でも、これ私の個性。

『睡魔』。自分や、私に触れている人の眠気を増幅させてしまう。

コントロールは出来るものの、疲れが溜まりすぎると勝手に発動してしまう。

やばい‥‥眠る‥‥


───「房田ちゃーーーーん!」

「はぁぁぁい!!?」


バイトリーダーの倉永さんの声で一気に目が覚めた。

すんごい心臓に悪いけど、助かった‥‥

/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp