第3章 居座り中(?)。
深く、深くを食べられているようなキス。
交じり合うものは、熱くて甘くて。
すぐに、蕩ける。
「──お前に会った瞬間、俺のもんにするって決めた。ならねぇ、なんて言わねぇよな? あ?」
半分、脅しだ。こんなの。
一番大事なところ抜けてるよ、爆豪さん。
「‥‥好きってことなの?」
「あ"? いちいち言うのかよクソ」
それは‥‥肯定ってことで良いんですかね。
すごく、遠回しで面倒くさい言い方。
直球が好きな私からしたら、マイナス50点くらいだけど。
断ったら殺されそうだし。
‥‥傍に居てやるか。
「‥‥いいよ。傍に居てあげる」
「あ"ぁ!? 俺が傍に置いといてやるんだよッ、勘違いすんなモブが」
「めんどくさ!」
───教育に悪いとか、思ってみるけど、本当は‥‥
私も、この人、離したくない。かも。
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親が帰ってくると面倒くさいそうなので、あの後はすぐに帰らせてもらえた。
途中まで送られて、別れ際にキスされた。
なんか、甘ったるい。甘ったるいよ、こんなの。
私の人生じゃないみたい。家に帰るなり鏡を見てみるけど、そこにいるのは普通の私だった。
つい先日会った男の子と再会。そのまま一線を越えてしまった。
‥‥親が聞いたら泣くね。
明日から、また学生生活。
華々しいライフなんて私には似合いそうもないけど。
でも、どうやら巡り会えたようなので。
どうにかこうにか、やっていってみようかな。