• テキストサイズ

あの日、あの時、路地裏で。

第1章 路地裏イチャイチャ in 団長



「あの、調査兵団の方ですか?」

「? あぁ、そうだが」

「よかった。すみません、急ぎで来ていただきたくて」

「何かあったか?」

「喧嘩?になるのかしら…?」

「…?」

「あの、だめですか?」


喧嘩ならば憲兵か駐屯兵の方が適任では?と思ったが、わざわざ探して声を掛けてきたという状況に素直に頷いた。











「もう!何度も言わせないで!」

「君こそ、何故認めないんだ!」





「まだ終わらない…」
「ただいま」
「お姉ちゃん、お帰り。このおっきいおじさん…誰?」
「救世主よ」

(救世主?いやそれよりも、この声は…)

訝しがりながらも、開け放たれた二枚の扉の隙間を覗いてみれば、その奥には見知った二人の姿。



「皆見てたよ、エルヴィンのこと」

「違うな。ナナバを見ていたんだ、間違いない」

「どうして同じことばかり…!」

「君こそ同じことばかりだが?」



「ずーっと同じこと言ってる。ぐるぐる~ぐるぐる~」
「そうね、仲がいい証拠ね」
「そうなの?」
「そうなの」

「すまない、煩いだろう…?」

「ううん、平気だよ」
「えぇ、大丈夫です」

「すぐに止める。扉はそのままで頼む」

「はーい」
「よろしくお願いします」



尚も収まる気配のない二人に、大股で近付く人影。

だが、ヒートアップし完全に二人だけの世界を作り出しているせいか、まったくそれに気付かない。


/ 38ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp