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あの日、あの時、路地裏で。

第5章 路地裏 in ハンジ&モブリット



「その次は、ミケ分隊長とさん」

「救世主のおじさん、大きいよね~~~」



「その次は兵長とさん」

「始めてお見かけしましたけど、小さくて…
 あ、ごめんなさい」

「いやいや大丈夫。
 何だかんだいって優しいからね、彼は。
 怒ったりしないから安心していいよ」

ま、できれば口に出さないで上げて欲しいけど。と付け加えながら一歩、また一歩と路地を進んでいく。


「ミケ分隊長がとても大きいですからね。
 その…ギャップというか……」

「あ、それ。リヴァイに言っていい?」

「やめてください!削がれてしまいます!」

『悪気はないんです!!!』と慌てるモブリットに『冗談だよ冗談!』と笑って答えるハンジ。





「ミケはいい感じにに頼るようになった。これは私でも分かる」

「そうですね。適当な表現か分かりませんが…寄り掛かるというか、ご自分でされるばかりではなくなったようです」

以前はの負担を軽くしようと、何かに付けてはミケが手を出していた。

だがあの日以来、多少ではあるがミケがをあてにするようになったらしい。



「リヴァイは雰囲気が柔らかくなったって評判だよ。本人は否定してたけど」

「私にはまだ分かりませんが…それでも、笑っているのかな、と思う表情が増えた気がします」


いつでもぴりりとした雰囲気を醸し出すリヴァイ。

それがあの日以来、ほんの少しではあるが、角が取れた。

あまつさえ、休日には手ずからクッキーを焼くこともあるという。
その証拠に、お手製クッキーの感想を聞いたモブリットへ『今まで食べた何よりも美味しい』とリヴァイ班の面々は涙ながらに語ったのだ。


「リヴァイお手製のクッキー!超レア!
 私も食べてみたい~~~!」

「美味しいですよ」

「そうなんだ!
 って、モブリット食べたの?」

「はい。(奇行種の相手は大変だな、ってくれたのは内緒にしておこう)」

「いいな~~~!!!」


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