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あの日、あの時、路地裏で。

第4章 路地裏イチャイチャ in 兵長



「はぁ……」


分かっていた。
自分の休みが、この日と被ったこと。

それでも、この人出は想像以上だった。



揉まれてできた服の皺を整えつつ、ふと横目で見た人で溢れかえる広場。


(あれは…)


まるで流され浮き沈みするように、ちらりと見えた。

手にしたハーブティーを買いに来させた人。

見覚えのある、その顔。


「…」


リヴァイは無意識のうちに釘付けになる。

左から右へ。徐々に流されていくその姿に。
彼にしては珍しく、見えなくなってもその先を見つめ続けている。

そうしていれば、幾ばくかの後、同じようにの姿、いや頭が目に飛び込んできた。


「……」


眉間に皺を刻み、すぐさま周りの状況を再度確認するリヴァイ。

今いる路地裏こそ自分以外は誰もいないが、ここに至るまでは、全ての場所が大勢の人で賑わっていた。


広場を中心に放射状に広がる市場。

訪れた人々は通りの店先を眺めつつ、市場の中心である噴水のある広場に向かう。

そして、また違う通りへと抜けていくのだ。


自然、人の流れは広場に集まる。


(花屋もパン屋も、随分と客が来ていたな)


ふと思い出したのは、両脇の建物の店先。

と、またもや視界の端に見えたの顔。


「一体、何してやがる…」


これで三回目。

推測するに、広場に自然とできた反時計回りの人の波に飲まれ…
どうやらそのまま回り続けているらしかった。


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