第7章 「SBK」~二次審査~
下に降りると、カレーの匂いがした。
どうやら今日の夕食は、カレーのようだ。
「ごめんな、待たせて…。今持ってくるから、座ってて!」
父さんはそう言って、台所に向かう。
オレと姉貴はいつもの場所へと座る。
「なぁ。」
「ん?」
「なんで、父さん急に料理なんか…。どうかしたのかよ。」
オレは姉貴に小声で聞いた。
「疑問に思う面は分かるけど、まぁ大人しく待ってなさい?」
「……。」
(姉貴まで、何考えてるんだ…。)
オレは今起こっていることが理解できず、苛立ちが募っていった。
オレの様子を知るはずもない父さんが、カレーを盛った皿を持って、
「はい、お待たせ~っ!」
と、陽気な表情で言った。
「ありがとう、お父さん!」
姉貴は笑顔でお礼を言っていた。
(あんなヤツにお礼なんか言う必要ねーだろ。)
オレの苛立ちは最高潮になろうとしていた。
その時、
「食べる前に、話しておきたいことがあるんだ。」
と、父さんが言った。
「「?」」
オレと姉貴は、スプーンを置く。
父さんは頭を下げて、
「すまなかった…!」
と、謝った。