第7章 「SBK」~二次審査~
「私達が小さい頃は、普通の幸せな家族だった。
お父さんがいて、お母さんがいて、雪哉がいて、私がいて。
でもしばらくすると、家族との過ごす時間が少しずつなくなって…、
お父さんとお母さんの間で、すれ違いがおきてしまったの…。
口喧嘩してるのも、よく目にしたわ…。」
「……。」
冬花さんの言葉に言葉を失う私達。
「そして、お父さんとお母さんは離婚した…。
雪哉がお父さんを嫌うのも無理ないわ…。
でも、このままじゃダメって分かってるけど…、どうしたらいいか…。」
「……。」
「そんなんですか…。」
ゆっきーのことを知って私は驚いた。
というか、ショックのほうが大きいような気がした。
「雪ちゃん…、ずっと悩んでたんだね。」
ひまたんの言うとおりだ。
(ゆっきーが悩んでいるのに、私知らなかった…。
ゆっきーはいつも私を助けてくれたのに…。)
「でも私、雪哉が音楽を続けてくれて嬉しかったわ。」
と、冬花さんは言った。
「え…?」
「雪哉がドラムを続けているのは、お母さんから勧められたらなのよ。」