第7章 「SBK」~二次審査~
「お母さん、まだ小さい雪哉にドラムを勧めていたわ。
雪哉、楽しそうに叩くもんだから、お母さんもきっと嬉しかったんだわ。」
「へぇ~、ゆっきーがドラム始めたのって、お母さんがきっかけなんだ。」
と、あっきーは驚いていた。
正直、私も驚いた。
でも言われてみれば、いつも三日坊主なゆっきーがこんなに続けているなんて…、びっくりだ。
「んじゃ、雪ちゃんにとってドラムは、かけがえのないお母さんとの思い出が詰まってるんだね。」
「思い出か…。」
「確かに、ひまわりちゃんの言うとおりかもね。」
冬花さんはそう言うと、微笑んだ。
今の話を聞いて私は、ゆっきーがなぜ音楽を続けているのか分かった気がした。
「ゆっきーが音楽を続けているのは…、有名になってお母さんにまた再会するため…?」
「…!」
冬花さんは一瞬驚いた顔をしたが、それはやがて微笑みに変わり、
「さすが、晴花ちゃんね。私もそう思っていたわ。」
「そうだったんだ…。」
「でも、再会なんてできるのか?」
と、あっきーが口にした。
確かに、小さい頃に離婚して会うことなど可能なのだろうか…?
「それなら、大丈夫。心配ないわ!」
冬花さんが微笑みそう言った。