第1章 プロローグ
「私も頼もーっと!」
女の人はそう言って、ベルを押した。
店員さんがやってきて、
「バニラアイスとチョコアイスと、いちごパフェとそれから…」
と、またたくさん注文していた。
(どんだけ食うねん!!)
と、私は心の中でつっこんでしまった。
そんなことはお構いなしに、女の人はこう言った。
「ここのデザート、すごく美味しいんですよ~?」
私は、自分で頼んだチーズケーキを一口食べてみる。
「ぱくっ、…おいふぃ~~!!」
「やっと、笑顔になりましたね。」
「え?」
「私の演奏聴いてる時、何か悩んでそうな顔だったから…。」
女の人は私のことを心配していたようだった。
私はこの人に、悩みを打ち明けることにした。