第1章 プロローグ
「おいふぃ~~~!!」
「……。」
(す、すごい食べっぷり…。まるで、昨日から何も口にしてなかったみたい…!)
私はそんなことを思いながら、女の人が夢中で食べるのを見ていた。
「よかったら食べますか?」
「え?」
「いや、ずっと見てるから。それに…」
「?」
女の人は人差し指を私の口に向けて、
「よだれ出てますよ?」
と言った。
「!!」
私はハッとして口をふさぐ。
よだれを出していることに気づかない自分が恥ずかしく思えた。
「我慢しないで、何か食べたらいいんじゃないですか?」
女の人はそう言うと、メニューを渡してくれた。
「あ、ありがとうございます。」
私は礼を言ってから、メニューを開いた。