第4章 「SBK」~一次審査~
秋人side
~数日後~
「父さん、話があるんだ。」
オレは父さんに話しかけた。
作業しているため、背中を向けていて表情は見えない。
内容はもちろん、あのことだ。
「…なんだ。」
「オレ、誰が何と言うと絶対ミュージシャンになるから。その気持ちは絶対変わらない…!」
「前にも言っただろぅ、音楽で食っていけるほど甘くはないと。お前は何もわかってない。」
「……っ。」
(父さんの言ってることは分かる。でも…)
「でも…オレは…!…「あっきー!!聞いてくれ!」
突然店のドアが開いた。
「!?」
はっとして、ドアに視線をやる。
そこにいたのは、ゆっきーと晴ちゃんとひまちゃんだった。
「あ、もしかしてお話中でした…?」
「雪ちゃん、晴花。しかもまだ開店前だよぅ…?」
「いや、構わん。入れ。」
「「「は、はい。」」」
父さんに言われ、店の中に入る3人。
入ると同時にゆっきーは、オレに封筒を渡してきた。
その手は少し震えている。
「これ、あっきーに。開けてみて?」
「これは…?」
(SBK…、あっもしかして…一次審査の結果…?)
オレは恐る恐る、封筒の中を取り出した。