第4章 「SBK」~一次審査~
別の日、私達はとあるラーメン屋さんに来ていた。
店の中に入ると、
「いらっしゃ~い!!」
と、元気のいい声が響いた。
「母さん、ただいま~。」
「あら秋人、おかえり!」
「ぅえ?!ここって秋ちゃんの家??」
「うん、そうだよ。ひまちゃんには、まだ言ってなかったね。」
どうやらこのラーメン屋さんは、秋ちゃんの家らしい。
「ゆっきーんちのラーメン、すっごく美味しいんだ!」
「へぇ~!」
「あら、晴花ちゃんったら嬉しいこと言ってくれるわね!あとで、アイスサービスしちゃうわ!」
「本当ですか?やった~~!」
晴花は両手をあげて喜んでいた。
「おばさん、こんにちは!」
「あら、雪哉くんもいらっしゃい!ゆっくりして行ってね!ひまわりちゃんも!」
「えっ?あ、はい!」
秋ちゃんのお母さんはとっても明るくて、私のことも本当の子供のように接してくれた。
「晴花ー、あっち座ろう?」
「うん、ひまたんもいこ?」
「うん!」
返事をして、晴花のところに向かおうとした時、
「母さん、今日父さんはいる?」
と秋ちゃんがお母さんに聞いていた。
でも、その表情は少し不安げだ。
「いや、今日はいないよ。」
「そ、そっか。ふぅ~。」
(秋ちゃん…?)
さっきの不安げな表情はなんだったのだろう…?
私は、そう思いながら晴花達のところに向かった。