第4章 「SBK」~一次審査~
~一週間前~
「遅れてごめーん…!」
「ひまたん、やっと来た~!」
「ひま、遅刻は相変わらずだなー。(笑)」
私達はいつも練習で使っている、音楽スタジオに集まった。
「それで、ひまちゃん。ちゃんと録音するCD買ってきた?」
「うん、ばっちし買ってきたよ!ほらっ!」
私はCDが入ったレジ袋を、秋ちゃんに渡す。
「はい、ありがとう。……ん…?」
秋ちゃんは袋の中を覗くと、顔をしかめた。
その様子を見て不思議私は、
「秋ちゃん、どーした?」
と、尋ねた。
「ひまちゃん、……これCDじゃなくて、DVDだよ…。」
「え、えぇ~~!!?そんなはずは…」
私は袋の中の物を見る。
自分が買ったものはCDではなく、秋ちゃんのいう通りDVDが入っていた。
「…ほんとだ。CDじゃない……。」
「ひまちゃん、どうしたの?買い間違えるなんて…。ひまちゃんらしくないよ?」
「うん…。」
(こんな間違えをするなんて、どうしちゃったんだろう…?)
自分でも、よく分からなかった。
すると、向こうから晴花のこえが聞こえてきた。
「あっきー、ひまたーん!差し入れ持ってきたから、食べよー?」