第4章 「SBK」~一次審査~
「どれにしよっかなー…。」
私はどれを食べようか迷った末、カスタードシュークリームを食べようと手をのばす。
しかし、ゆっきーが自分の口に運んでしまった。
「あーーゆっきー!それ、私食べようとしてたのにー!」
「へへっ。ひま、もたもたしてっからだ!」
「もーー!」
食べ物で雪ちゃんとケンカすることも、毎回恒例(?)になっている。
「晴ちゃん、悪いけどオレ…甘いものは…。」
「…そう言うと思って、今回は甘さ控えめのシュークリーム買ってきたんだ。だからあっきーも、美味しく食べられると思う!」
「…ぱくっ、本当だ。美味しい…!」
「ありがとう、晴花!」
「ありがとな!」
「いえいえ~!」
みんなにお礼を言われ、笑顔で答える晴花。
次は何の差し入れがあるのか、楽しみだ!
「ところで、一次審査の合格通知くるのいつだっけ?」
秋ちゃんはシュークリームを食べ終わると私に尋ねた。
「「!!!」」
「えっとたしか…今から1ヶ月後にくるはず!……ん?…晴花と雪ちゃん、大丈夫?」
秋ちゃんがSBKの話にふれた途端、2人はいつも動きが止まる。
「だ、だだだ、大丈夫!ね?ゆっきー。」
「お、おう!よ、余裕だぜ。一次審査なんて。…は、はは…ははは…」
「見るからに動揺しまくりだけど…。」
まぁ、2人が緊張するのは無理もない。
私も応募用のCDを録音するときは、とてもガチガチに緊張していたから。