第3章 season
「太陽くんと過ごした日々は、とてもかけがえのないものになってて…、ミュージシャンになる夢は、太陽くんの夢でもあるの。」
「へぇ…、太陽くんもミュージシャンになりたかったんだっ!」
「うん!
…できることなら、また…もう一度太陽くんに逢いたいな…。」
私がそう言うと、みんな急に驚いた顔をして
「ひまちゃん?!」
「ひまたん、どうしたの?!」
と、言った。
「え…?なにが…?」
状況がつかめない私は、ポカンとすることしかできない。
「なにがって…。だって、ひまたん泣いてるから…。」
「え…?あ…、ほんとだ…。」
「ごめん、辛いこと思い出させちゃって…。」
と、秋ちゃんが申し訳なさそうに謝る。
「え…、あ、いや。大丈夫だよ!
私が勝手に泣いてるだけだから。」
私はたいしたことないと、明るく振る舞っていたが
「全然、大丈夫じゃないだろ。ほら!これ使え。」
と言って、雪ちゃんがタオルを貸してくれた。
「ありがとう…。」
受け取ってから、私はタオルで涙を拭く。