第2章 出会い
「ほんじゃ、最後はひまたんね!」
「うん。」
晴花に言われ、私は自己紹介を始める。
「木野ひまわりです。歌手を目指してます。音楽と歌うことが大好きです。
あ、ひまわりって長いので、呼びやすい呼び方で呼んで下さい!よろしくお願いします。」
パチパチパチ
3人は暖かい拍手をおくってくれた。
「んじゃ、ひまって呼んでいい?」
雪哉くんがそう提案してきた。
「うん、もちろんOKだよ!」
「…晴花のことは、晴ちゃんって呼んでるから、ひまちゃんって呼ぶね。」
「うん、分かった!んじゃ、私は雪ちゃん、秋ちゃんって呼ぶね!」
私は笑顔でそう言った。
「ちゃん…?」
「なんか、女子の名前みてー(笑)」
「ま、なんか新鮮でいいかも!」
ちゃん付けで呼ばれて、違和感を感じた秋ちゃんと雪ちゃんだったが、晴花の一言でまあるく収まった気がした。
「ところで、ひまたんあの話考えてくれた!?」
あの話とは、そう。
私がこの3人とバンドを組んで、ボーカルを務めるということだ。
「……。」
当然、答えはまだ出ていない。
「えっと…、実はまだ分からなくて…。」
私は正直に今の気持ちを晴花に告げた。
その様子を見た晴花は、こんなことを言った。
「んじゃ、私達の演奏聴いて決めてくれる?」
晴花は微笑みながらも、真剣な眼差しで私に言った。
私はこくんと頷き、3人の演奏を聴くことにした。