第2章 出会い
「んじゃ、次はあっきー。どうぞ~!ぱちぱち~。」
「口で拍手かよ(笑)」
秋人くんは、口で拍手をした晴花に突っ込みながらも、自己紹介を始めた。
「えーっと…、栗田秋人です。ベースしてます…。まぁ、よろしく…。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
私も秋人くんにあいさつをする。
(秋人くんは、話すのが苦手なのかな?
カラオケの時は、とても熱心に教えてくれたけど…。)
「ゆっきー、なんか暗いぞ!」
「……え。」
「まぁまぁ、まともに話せただけでもよいとしよう!」
雪哉くんの言葉にどう答えたらいいか分からない秋人くんを、カバーする晴花。
「んじゃ、次はゆっきー!」
「待ってました~!!」
雪哉くんは椅子の上に立ち、自己紹介を始めた。
「オレは、月島雪哉。ドラムやってます!得意なことは……うわっ、おっとと……うわぁ!!」
ガシャン!!
雪哉くんはバランスを崩して、椅子ごと倒れてしまった。
「だ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫、大丈夫…。いてて。」
私の呼びかけに笑顔で答える雪哉くん。
怪我はしてないようで、安心した。
「ひまたん!コイツはただのバカだから、ちょっとやそっとじゃ怪我しないから、大丈夫!」
と、私にウインクしながら晴花はそう言った。
「なんだとー!こらー、晴花ー!!」
雪哉くんは頭にきたようだったが、
「やかましい!」
その怒りは晴花の一言で、すぐ収まった。