第2章 出会い
トン、トン、シャーン…
ジャーン…
みんな楽器を鳴らしていた。
ひとつひとつの音を鳴らして、確認しているところなのだろうか?
「…これって、何してるとこなの?」
バンドを生で聴いたことがない私は、晴花に聞いた。
「これはチューニングっていって、音を合わせてるところだよ。音がバラバラだといい演奏ができないからね…。」
「へぇー、そうなんだ…。」
「ひまたん、今日は私がボーカルもするね!」
「……。」
「ひまたん?……ふふっ。よっぽど、見入ってるのね。」
私は何もかもが初めてて、晴花の言葉は耳に入ってこないほど、見入ってしまった。
「晴ちゃん、2弦目少し音違う。」
「え!?あ、本当だ。」
「なーなー。早く演奏しようぜ!」
「はいはい。全く、雪哉はせっかちだな~(笑)」
………
「んじゃ、行くよ?」
「うん。」
「おう!」
晴花の呼びかけに、2人が頷いた。
「1、2、3…」
雪ちゃんのスティックの合図で、演奏が始まった。