第12章 恋の行方~雪哉と晴花~
「好きなヤツは、ほおっておけないだろ?」
「そ、そうだけど…。」
今まで、ゆっきーの気持ちに気づいていなかった自分が、恥ずかしく思えた。
「ん?ってことは、さっき晴花が答えた『好きな人は、うるさくて文句ばっか言う…って、オレのこと?!』」
「そうだよ、ゆっきーのことだよ。ってか、気づくの遅っ(笑)」
「う、うるさいな!」
少しからかうと、ゆっきーはすぐ怒る。
怒りっぽいっていうか、短気っていうか。
まぁ、それも全部ひっくるめて好きなんだけど…///
「と、とりあえず…両想いってことだよな…?」
「う、うん…///」
「まぁ、なんつーか、その……///」
ゆっきーは言葉を詰まらせる。
そんな姿を見て、私はもどかしくなって
「ねぇ、キスしてよ。」
と、少し真顔で言ってしまった。
「は…。」
「い、いや…だから…///私達これから、付き合うんだから、その記念つーか…、なんつーか…。」
私は自分で発言しながらも、あとから恥ずかしくなってもじもじする。
「……これから、よろしくって…こ……!?」
ちゅっ
私は最後まで言葉を紡ぐことはできなかった。
ゆっきーとのキスで、唇が塞がったからだ。
そっと触れる、優しいキス。
ゆっきーは私より、背が小さいため少し背伸びをしている。
私は緊張して、ぎゅっと目をつぶってしまった。