第11章 恋の行方~カイルと柑菜~
「あの…気に入らなかったら……、「これ可愛い!!ありがとう、カイルくん!!」
「気に入ってもらえて、良かった。……やっと、笑ったな。」
「え?」
カイルくんは、私の顔をじっと見て言った。
「オレと会った時、お前元気なかったから。」
(私、カイルくんには笑顔でいたつもりだったのに…。)
私は自分のことを見抜かされていて、少し驚いた。
「それに、お前迷子だろ?迷子のお子ちゃまは、迷子センターに行かなきゃダメだろ(笑)」
カイルくんは意地悪に笑って言った。
これも、どうやら見抜かれていたようで、ちょっと悔しい…。
「お、お子ちゃまじゃないなの!」
私は口を尖らせて言う。
するとその時、
「あ、柑菜いた~!」
玲菜と杏菜が私を見つけて、やってきた。
「もぅ、勝手にいなくなってダメでしょ。」
ポコッ
「いたっ!」
杏菜から軽いげんこつをくらう。
「まぁでも、見つかって良かった!」
玲菜が安心した表情で言った。
「あの、このバカ柑菜がお世話になりました。」
「あ、杏菜!バカは余計なの!」
「あはは~!三つ子ちゃん達は、面白いね!」
(カイルくんって、こんな風に笑うんだ…!)
私はカイルくんの笑顔を見て、少し頬が赤くなる。