第11章 恋の行方~カイルと柑菜~
「んじゃ、オレはこれで!柑菜ちゃん、楽しかったよ。ありがとう!」
カイルくんはそう言って、爽やかスマイルをする。
「あ、う、うんっ!///」
(笑顔、素敵すぎるなの…!)
「んじゃ、またね~!」
そう言って、カイルくんは私達のそばから立ち去って行った。
「はぅ…!カイルくん…!!」
「柑菜ー、大丈夫か~?」
「玲菜。柑菜ってば、聞いてない。」
私はカイルくんにメロメロだったため、2人の声はまるで聞こえなかった。
(私にも、チャンスはあるってことね!
よーし……!)
私は拳を握り、決意した。
(カイルくんが振り向いてくれるように、頑張らなくちゃ!)
「私、頑張るなの~!」
「恋を頑張るのもいいけど、宿題も頑張りなさいよ?」
「はぅ…、宿題のこと完全に忘れてたなの…。」
宿題が残っていることを思い出して、少しがっかりする。
「写すのなしだからね。」
「杏菜ってば、ひどい!」
「自力で頑張るんだな!(笑)」
「…はーい。」
私は渋々返事をした。
(いつか…、
いつかカイルくんに、この気持ちを伝えられたらな…。
どうか私の恋が実りますように…!)
私は、カイルくんからもらった、うさぎのキーホルダーに願いを込めて、私達はショッピングを続けた。