第11章 恋の行方~カイルと柑菜~
(カイルくんって、こんな可愛い店に来たりするんだ…。なんか意外なの。)
私はそう思った。
「う~ん…、これじゃないなー。」
カイルくんは、キーホルダーを選んでいるようだ。
(私は歌ってるカイルくんしか知らないから、
こんな姿のカイルくん見るの、なんか新鮮なの!
でも、わざわざこんなとこ来て買うってことだから…、もしかして彼女とかにやるのかな…?!)
「カイルくん、彼女いたのー?!」
私は思わず大きな声を出してしまった。
周りの人に見られて、慌てて口を塞ぐ。
幸い、カイルくんには聞かれていないようだ。
(なんか…、ショックなの…。)
私がそう思ってるとは知らずに、
「ごめん、お待たせ!」
と言って、私のところに来た。
「あ、全然。大丈夫なの!」
カイルくんの前では笑ってるけど、内心はやっぱり悲しかった…。