第9章 「SBK」~決勝戦~
「「雪哉~~!」」
「その声は…、父さん!姉貴!」
雪ちゃんの家族も来ていたようだ。
「おーい、雪哉!頑張れ~!」
「ちょ、父さん。あんま身を乗り出さないで!恥ずかしいから!」
両手でぶんぶんと手を振る、雪ちゃんのお父さんは面白くて、微笑ましかった。
すると突然、バンっと音をたて会場の出入り口のドアが開いて、誰かが入ってきた。
「ちょっと、離しなさいよ!」
その人は、警備員に身体を抑えられている。
「あれって誰だろう…?」
「さぁ…?」
(なんか、病院着着てるような…?)
そう思ってると、その人は警備員を振り払い、ステージに向かって走ってきた。
だんだん近づいてきて、その人の顔が見えてくる。
(!?あの子って…)
「は、晴ちゃん?!」
「晴花?!」
そう、病院着を着て点滴をしたまま来た、晴花だった。