第9章 「SBK」~決勝戦~
「こんにちは~!seasonです。」
「今日は3人だけですが、精一杯頑張ります!」
「「よろしくお願いしますっ!!」」
ぺこりっ
わぁぁぁぁぁ!!
秋ちゃんと雪ちゃんが、挨拶をしてくれた。
私はぺこりとお辞儀をする。
「…それじゃ、いくぞ!」
「うん!」
『うん!』
秋ちゃんの呼びかけに、頷く私達。
「1、2、3、4!」
「♪~♪~♪♪…」
雪ちゃんの合図で、演奏が始まる。
(いよいよ…、いよいよだ。声出ろ!!)
「……っ……は…。」
(!?)
声が出ない。
(なんで、出ないの?!)
「……っ…!」
(なんで、なんで…?!)
何度やっても同じだった。
私の様子を見て、会場がだんだんざわめきだす。