第8章 雨の日
私はあれから晴花のギターを持ち帰り、家でも練習することにした。
「コードって、こんなにいっぱいあるのー??
晴花は簡単そうに弾いてるけど、こんなに難しいなんて思わなかった…。」
決勝戦まで、ギター弾けるようになるのかな…?
まず、決勝戦までに晴花が死んじゃったら…?
「そ、そんなの…。やだよぉ……。えーん!ひっく……っ…。」
頑張らなきゃいけないのに、晴花のことが心配で心配で練習に身がはいらなかった。
私は、ギターを持ったままベッドに倒れ込む。
さっきまで気づかなかったけど、身体がすごくダルい。
疲労を感じた。
「ふぇ、…ひっく…。晴花…。」
次々流れる涙は、私の頬をぐっしょり濡らす。
しばらくすると、急に睡魔が襲ってきて私は眠ってしまった。