第8章 雨の日
「先生!!晴花は?!」
「晴ちゃんは無事ですか…!?」
私達は先生に単刀直入に聞いた。
「命は助かったと言えば、助かったのですが…。晴花さんの脳は……、死んでいます…。」
(え……?)
「死んでるって…、まさか脳死ですか…?!」
「はい…。心臓には、幸い大きな怪我はありませんでしたが、頭を強く打ったために、脳死状態に…。」
「そ、そんな…。」
私達は愕然とした。
次々と教えられる衝撃の事実に、頭がついていかないのだ。
「もぅ…もう、晴花さんが目覚めることは……ないでしょう。」
(そ、そんな……。)
沈黙した病院の廊下、雨の音がやけに大きく響いた気がした。