第8章 雨の日
「絶対みんな、決勝戦の前だからって無理してるなー?
休むのも大事なのに…。」
なんて呟きながら、横断歩道を渡る。
すると、その時
キキーーーッ!!
雨でスリップしたトラックが、こっちに向かってきて
「……!!」
傘で、トラックに気づくのが遅くなった私は…
ドンっ!!
鈍い音をたて、トラックにはねられてしまった…。
「きゃーーっ!」
「おい!大丈夫か!!」
「誰か、救急車!!!」
「……っ……。」
(…体中…い、痛い…。それに、さ…、寒い…。)
空から振ってくる雨と私の血が混ざり合う。
(は、はやく……いかな、きゃ…。)
「…い…!…ぉぃ…!!…」
まわりの声が段々聞こえなくなって、私は意識を失った…。