第7章 「SBK」~二次審査~
「はぁ~、終わった~!」
私達は演奏を終えて、控え室に戻ってきていた。
雪ちゃんが大の字になって寝っ転がる。
「まぁ、無事に演奏できて良かったじゃない?
とりあえず、お菓子食べよっか!差し入れ持ってきたよ。」
「ありがとう、晴花~っ!私、お腹ペコペコで…。」
私は晴花が持ってきた、差し入れを口に運ぶ。
今日はバームクーヘンだ。
「ふぅ…。それにしても、今年の審査員辛口コメントだったね…。」
秋ちゃんはお茶を一口飲んで、そう言った。
「本当だよね…。私、びっくりしちゃった!」
「わ、私…、あの人の言ってること、全部あたっててびっくりした…。
ボーカルで、そのバンドの出来が決まっちゃうんだなって、改めて思って…。」
(あんなに言われて、少し自信なくなったかも…。
こんなんで、へこたれるなんて私ってば…ダメだな…。)
「そんなに、落ち込まないで?ひまちゃん。」
と、秋ちゃんが優しく元気づけてくれた。
「秋ちゃん…。」
「そーだよ!誰に何言われても、ひまたんは全力を出し切ったんだから、大丈夫っ!」
晴花もそう言って、背中を叩いてくれた。