第2章 出会い
「ひとカラなんて、久しぶりだなー。」
私はそんなことを思いながら、ドリンクをついで部屋に入る。
「悩んでることなんて吹き飛ばして、今日は思いっきり歌おう!」
そう言ってマイクを握り、歌い始めた。
歌っている時、晴花のあの言葉が頭の中で何度もこだまする。
『一緒にバンド組みませんか?』
(私がバンド…。ボーカルか…。)
誘いを受けてから、私はまだ答えを出せないでいた。
音楽と歌うことは好き、とっても大好きだけれど、……自信がないし、才能もないし、私は……
1人で悩みに悩んでいると、
バタンっ!
「!!」
突然ドアが開いた。
そこにいたのは、短髪で背が高い見知らぬ男の人だった。